病棟スタッフ

 こんばんは. 後藤です.



 突然ですが・・・

 エアーマットを使用している方の拘縮が

 強くなっていくように感じた事はありませんか?



 僕は,こういったケースを何件か知っています.



 もちろん,エアーマットのせいかどうかは定かではありません.

 ただ,あまりに目につくように感じています.



 特に脳血管障害の方や,脊髄損傷の方をはじめとした

 感覚障害をお持ちの方に,よく見られるのではないでしょうか?



 「感覚障害」を呈した方は,「ベッドに吸い込まれるような感覚になる」との訴えをする

 患者さんがいる と,伊藤先生は論文に書かれていました.



 これは,独特の知覚理論に基づいた「ストッフレーゲン博士の知覚理論」からも考えられる事だそうで.

 

 僕は,そこまで詳しくはありませんが読んでみた事がありますし,

 一種,アプローチする際のコンセプトとしても利用させて頂いています.



 細かい話しは書きませんが(←書けませんが!?)

 もし,仮に感覚障害をお持ちの方が,

 ベッド上で宙に浮いているような感覚に近いのであるならば・・・



 エアーマットのように,常に安定しないマットレスの使用を勧めることは

 自分の身体を安定するために,あるいは不安要素が強くなる といった現象が生じ

 防御的な反応,つまり過剰に筋緊張が亢進しうるのではないでしょうか.



 この筋緊張の亢進と,不快な刺激 というのは,拘縮を進める原因であると思います.



 一般的には,「不動」が拘縮の原因として上がりますが

 本当にこの「不動」だけが原因とは思いにくいように思います.



 で,イケませんね.話しがずれましたが

 主に全身状態がかなり悪化している褥瘡発生リスクが高い方に(OHスケールの高度レベル) 
 褥瘡予防としてどうしてもエアーマットを使用するのですが,

 当院ではその使用を,とても拘縮ができる可能性があるから心配だ

 というように認識しているスタッフが多いです.



 かと言って,褥瘡も何とかしなければなりませんし.

 結構な悩み所ではあります.




 で,今日.

 かなり拘縮が強く,ポジショニングを行っても,

 すぐに咳などで姿勢が崩れてしまう方のマットレスについて

 病棟スタッフから意見がありました.


 
 それは,どうしてもこの方はエアーマットしかない と,

 栄養状態をはじめ全身状態を考慮し適応した患者さんであったのですが,



 「あんなに不安定な状態では,もっと拘縮が進むと思うので違うマットを考慮して下さい」 と.

 「もう少し安定したマットの方が,筋緊張が上がらないかも知れませんよね?」 と.



 もう・・・,とても素敵な病棟スタッフだな と思いました.

 お恥ずかしい話し,このエアーマットの選定は僕が行ったものです.



 正直,かなり迷った症例でもありました.

 その分,ポジショニングでカバーしようと思っていたのですが

 その後のフォローが疎かになっていたのでしょう.


 
 普段から接しているだけでなく,きっと

 「どうしたらこの患者さんにとって一番良いのか?」 という事を

 常日頃考えて下さっているのかと思います.



 そして,その意見をしっかりと伝えてくれる・・・.

 見習わなければなりませんね.



 すみませんでした! とすぐに伝え,

 同時に考えをもう一度改めようと思いました.





 今回は,ケアの話しを少ししませんでしたが,

 もちろん・・・ やはりケアの問題は大きいですよね.

 おむつ交換や体位交換,移乗動作やポジショニング.


 
 患者さんに接する機会がある時に,あまりに不用意に介入する事は

 不快刺激をこちら側から与えている事に間違いないな と.



 ただ,もっと多角的にも考えなければなりません.

 

 本音としては,この症例に対し

 全く不快な刺激を与えず,ケアを行っていく事は難しいのでは?

 といった点もあり,エアーマットを選定した という事も事実です.



 少しでもよいケアで行えるように,

 ケアの方法を熱心に伝えたとか,よくよくスタッフと考えたか と言われると

 絶対的な自信はありません.



 本当,今日は勉強になりました.



 次にこの方に出来る事,考えなくてはいけない事は

 もう明確です.



 もっと,しっかりやらなければ! と思った1日でした☆