読みにくい…かも


 先日,とある場所にて
 訪問看護に同行し,褥瘡が出来てしまった方の
 ご自宅へとお邪魔してきました.





 踵でしたが,褥瘡が発生した際に使用されていたのは
 エアーマットだったそうです.





 大分,良くなってきている状況ではありましたが
 改めて,褥瘡予防におけるエアーマットの効果というのもは
 「絶対」的ではない という事を肝に銘じました.





 褥瘡予防における適切なマット選択 というのは
 必要不可欠な要素かとは思いますが
 そのマットでなんとかなる という事だけが先行し過ぎるのは
 やはり問題かと感じます.





 対象であったその方は
 過去に何度も脳血管疾患を患っており
 筋緊張亢進によるマルアライメントでの姿勢保持が
 目立つ方であったそうです.





 実際にエビデンスが出ている訳ではありませんが
 その方のマットレスをまず静止型に変更しただけで
 筋緊張亢進もある程度コントロールできるようになったそうです.





 ズレによる褥瘡のリスクと
 筋緊張異常に関して考えると
 やはりエアーマットではなく,静止型の物の方が良いように思います.






 それと.
 「自らが動くことによって生じていると考えらる褥瘡」 が
 今回の患者さんの課題でもありました.





 これが全てではなく
 ケアでの場面が原因であったかもしれない という提案はさせて頂きました.






 しかし.
 その原因について,踵をとにかく擦りながら
 動かしている という事実もあるわけで
 僕も実際にそうなんじゃないかな? と思う事があります.






 ただ,脳血管疾患の方で
 感覚障害がある というキーワードだけではありません.
 やはり,これにASOとDM,これが合併している方にだけ,
 そう感じたりもします.





 「動く事が出来る」 これは本当に良い事です.
 動きを止めてしまう という事は,褥瘡のリスクは勿論
 拘縮をはじめ循環の問題にまで発展しうると思うためです.





 ただ,もしも褥瘡を作ってしまうような動きであるなら
 この問題はとても難しい課題にもなりえます.





 そこで,動きは止めず
 かつ褥瘡のリスクが抑えられるようにポジショニングと
 摩擦力の軽減を対応策としてとっています.
 




 まず,相手の動きやすい方向や
 どんな筋を中心にどの方向に動かしているのか? を良く評価します.
 




 そして,運動方向に向かって下肢全体で常にサポートできるように
 クッションなどによって支持面を確保します.
 




 それでも,やはり足底に関しては無毛部でもあり
 能動的に知覚する部位でもあることから,踵を押しつける反応も見られたら
 スライディングシートをひきっぱなしにして
 その動いている間も含めて,踵にかかるズレ力の軽減を図ります.
 




 今回,対応させて頂いた方は
 踵で情報を収集して,姿勢保持をしているのではないか?
 という程の反応は見られませんでしたが,
 それでも動かす際に踵を引きづるのでスライディングシートもひきました.
 クッションは,大きな正方形のもで
 その下にレンタルしている固い緑のパッドで形作りをする事にしました.





 腹筋系と股関節周囲筋により屈曲方向へよく動かします.
 膝は軽度屈曲にしてコントロールしていませんので
 結果,踵がよく擦れている(ひきづられている)状況でした.





 「動きやすい」というようになって頂き,
  良い結果が出てくると,褥瘡だけでなく良いんですが...





 先ほど書いたように
 果たして下肢全体でフォローしても,その情報を
 この方がうまく利用できる あるいは利用していく という反応が
 見られず,かえって不安定さを感じてしまう事で筋緊張が亢進する...
 なんて事もあるといけませんもんね.
 その点についても,ちゃんとお伝えしてみました.






 患者さんが,自ら動かす事によって
 褥瘡が出来る なんて事は,論文などでは読んだ事がありませんし
 僕も確証がある訳ではありません.
 それでも病態(特にASOとDM,感覚障害)によって
 こういった悩みは・・・意外に多いんじゃないでしょうか?





 如何ですか?
 また,こういった方に限らず 
 動き過ぎて,被覆材剥がれてしまうために
 薬剤の効果も減るから,治りにくいんじゃないか? といった
 経験はないでしょうか?








 世の中には 「優先順位」 という言葉があります.
 僕でも,ちゃんとこの言葉の意味自体は分かります.







 壊死性筋膜炎にでもなったら,それこそ生命の危機にも陥ります.
 





 でも,もし仮に
 動きを敢えて止めるような方法をとり
 安静にすることで褥瘡が治った としても
 果たしてその方法は正しい選択なんでしょうか?
 都合良く,その理由を選択されてはいないでしょうか?





 褥瘡が治ったとしても,
 結果,動きが少なくなってきたら・・・
 より褥瘡のリスクもあがります.
 しかも,それだけでは..,ありませんよね.





 「理想論」だ とも思われる方がみえるかもしれません.
 それでも,褥瘡だけを考えていてはいけない と
 僕は感じています.





 なかなか難しいんですけどね....





 でも.
 きっと気付いていないだけで,もっと色んな方法があるはずです.
 論文などにもしにくい事かとも思いますが
 もっともっと,色んな方法があるんじゃないかと
 これからも考えて行きたい と思っています.






 ・・・.






 いやぁ〜・・・ 少しなんか暗い感じの日記でしたねぇ〜






 誤解を招くといけないので
 はっきりと書いておきますが...
 一緒にいったスタッフが嫌だった なんて事は
 まるでありません!! (本当に)





 むしろ,ケアマネ・業者・PT・ナースと
 勢ぞろいでしかも皆さま本当にアツい方々ばかりでした.





 すごく色んなディスカッションが出来ましたし
 なんだかその時の事を思い出して書いていると
 少しかっちりと書いてしまう という訳です.






 その方をみんなで考えた後,
 勉強会をさせて頂きましたし,飲み会にまで参加させて頂きました.
 色んな場面で,勉強もさせてもらい
 すごく良い経験をしました☆





 この地域の,この方々と一緒に
 今後色んな事がやっていけたら・・・と思いました.
 県外でしたが,少しでもネットワーク作りの橋渡し的な役割が出来たら・・・
 と思っています.





 ただ,そのためにももっと勉強しなければいけませんが.





 
 それにしても,本当に出会いって大事ですね.
 これからも大事にして行きたいと思っています.