想像するのは簡単じゃない

 はじめに少し、裏話を。




 5月9日の朝。
 よし、と。 金曜日の朝だ! と。




 勢い良く寝返りからの起き上がりをかまそうと思い
 動き出すと・・・




 足下にある棚に左足の親指を強打。
 今まで感じた事の無いほどの激痛・・・。




 まぁ、それでも少しうなった後、
 洗面所へと向かうと・・・




 親指から出血が!




 その日、名古屋で泊まり
 10日の研修会に向かったのですが、
 親指の爪は少し浮いた状態であったようです。





 そして、浮いた部分を
 少しずつ少しずつ、切っていきまして・・・。





 ついに今日。
 左足の親指から、爪が消えました。





 お食事中の方、気分を害された方
 本当に申し訳ありません。





 ただ、あほな私。





 なぜか達成感あり。です。
 自力で爪を剥がしてやりました。
 剥がせるんですね(笑)やってみるもんです。





 多少、痛みはありましたが
 そこまで・・・でした。





 でも、親指に体重をかけるのが
 結構きつい時期などがありました。





 そういえば、10日の朝は
 ホテルのカミソリに負けまして
 口の周りから出血した状態で打ち合わせに向かいました。




 なんとも波乱なここ数日。



 それはいいとして。




 ベタな話しではありますが、
 このような経験が、結構臨床や在宅で
 理学療法士っぽい仕事をしている自分にとっては
 重要であったりもします。





 特にですね、当会の研修会に参加された方にも
 伝えたいのですが、
 なんでもかんでも、研修会で習ったように
 重みを足底に移していくー っていうことに関して
 誰も彼もが、そうそう上手くっていうことばかりでは
 ない と思うんです。





 痺れや痛み などなど。





 上手く重みが移っていかない という
 状況があった時に、全て自分の動かし方が良くない と
 そう考えるだけでなくて、
 何かそこには体重を移していきたくない身体状況があるかもしれない と
 予想する事も大切かと思います。





 もちろん、疾患による症状もそうですし
 臨床検査による評価も大事です。





 もし、そういった事で悩んだ時には
 多職種との相談 なんていうのも
 とても良い事かとおもいます。





 結局、何が言いたいか というと
 あくまで介助する、ケアするというスタッフとしては
 外側からしか相手を見ることが出来ない という「事実」です。





 だからこそ、想像力が大事。
 相手の気持ちを知るための姿勢が大事。
 無知ではだめで、身体の事などの基礎知識が大事。
 などなど。




 もう、大事な事がありすぎて
 まさに大事まん兄弟のようですが、
 そこはプロとして、研鑽していくべきだと思います。





 ただ、それ以前に。というかそれ以上に。





 人として、相手のことを思う そんな気持ちが
 とても大事なんじゃないかなと思います。





 昔、このブログにも書きましたが、
 パーキンソン病を患った旦那さんに
 全介助で薬を飲ませる奥さんのケアを見て
 僕はここまで相手の事を思いやる介助はない と
 ものすごく感動した事があります。





 きっと、思いが人を動かすんです。





 気持ちが入ってないと、
 いくら手つきが良くったって駄目な気がする。





 僕はこれだけ研修を受けた とか。
 人の身体の動きは、こういう風だから とか。





 多分、そこまで。だと思います。
 そこから先は、なかなか見る事が出来なくなっちゃう。





 相手の事を考えるから、自然と手つきが変わるし
 だから、もっといい方法を見つけようとする。
 目が違うし、そこにある空気感が違います。





 僕は、その方の訪問リハに入っていたのですが
 とても大切な事を学ばせて頂きました。
 あの奥さんは、確かにその夫にとっても
 長年連れ添った、大事な家族です。





 だからこそ、そういったケアになるのかも知れません。





 では、他人だと出来ない?のでしょうか。





 きっとそうじゃない。





 僕は、理学療法士のいわゆるテクニックなどにも思いますが
 よくわかりませんけども、きっとどの手技にも
 相手のために という大きなコンセプトがあって。





 そこからスタートしてるんだと思います。
 これは、医療だけでなく、全ての事に言えるのかもしれません。





 手技をマスターしたり、 
 有名なギタリストのソロプレイをコピーしたり、
 映画を見て感動したり。





 上辺で終わらない、そんな人間になりたいものです。





 僕が親指をぶつけた話しをしたら
 色んな方に、すごく心配して頂いたりしました。





 自分は、ちゃんと相手の事を見ていれているのだろうか。
 見ているつもりじゃなかろうか。 と。





 どこまでも相手の事を想像し
 気持ちのわかるセラピストに成長していきたいと思います。
 おしまい。