脱! PT目線

 今日は午前中のみ,仕事でした.
 ただ,昼になったからと言って
 今日ばかりはすぐに帰るわけにはいきません.




 当院の取り組みとして
 地域に住んでいる方へ,アンケート調査を行うためです.





 アンケート調査員の一員として
 今日は2件ほど,訪問させて頂きました.





 何故,こういう取り組みをしているかと言いますと・・・
 やはり,診療圏に住まれる方の生活調査の中から
 当院として何が必要なのか? を
 診療圏内に住んでいる方にとって
 安心で満足のいく,医療だけではなく福祉や保健を含めた
 活動方法を見つけるため です.






 ある程度,その活動案と言いますか,方針と言いますか
 そういうのも考えてある らしいのですが
 僕はそこまで詳しく知らないので,うまく書けません.
 でも,良い取り組みになりそうな・・・そんな予感です.






 と,そんなこんなで
 お昼からは,イザ! 訪問へ...






 アンケートには,色んな項目があるもんですから
 結構時間がかかります.





 それなのに,
 最初のご自宅では
 色々とお話しを伺っていくうちに
 ゴルフの練習場がある なんて話しになり
 何故かアンケート調査後,その練習場まで連れて行ってもらい
 そしてゴルフのスウィング指導をして頂いたりしました.





 ついつい,その方の生活状況なんかを聞いていると
 話しが盛り上がってしまい,時間がかかってしまうんですね.
 まさか,ゴルフクラブの握り方まで教えてもらうとは・・・
 でも,楽しかったです☆






 本当に,この地域に住まれている方は優しい方が多く,
 僕の様な若造には,まるで孫に接するようにして下さいます.






 「今のお前の振り方じゃ,練習場にいったらお金がもったいないわ」
 と言いながら,
 「ほいだで,いつでも良いからうちの練習場を使って練習せぇ!」 と.






 もうですねぇ〜・・・「おじいちゃん,ありがとう!」 なんて
 危うく言いそうになったほどです.






 そして,
 「次のご自宅はどこに行くんだ?」 と尋ねられたので
 「○○の方面ですよ」 と答えると
 「そこは昨日,雪で坂が上がれ無かっただよ」 と.





 ちょっと標高が高いので心配していたのですが
 さすがに今日は晴れてましたし...





 しかも,この方が「俺が送ってってやる」なんて事まで言って下さるので
 さすがに「大丈夫です,なんとかなります」 と,
 そこまでご迷惑をかけるわけにはいかない! と
 気合を入れて出発したのでした.






 ところが・・・
 やはり,人生の先輩方の言う事は聞いておくものですね...
 




 坂を上がれば上がるほど,
 道の脇には雪がまだまだ残っています.





 泣きそうになる(あながち間違ってもいませんが)のをこらえ
 いよいよ,あと1kmくらいで次のご自宅だ・・・ と思ったその時! 




 分かりにくいかもしれませんが
 もう,角度もきつく何よりタイヤが滑ってしょうがありません.





 果敢に挑戦してみたのですが,無理でした.





 そこで,少し前まで戻り
 車を畑付近に置かせてもらい,徒歩にて次のご自宅まで向かいました.





 とても寒く. まさか歩くとは思っていませんでしたし.
 路面もかなり凍っていましたが,
 やはり,次の方の優しさに心まで温まりました.





 この方からも色んな話しを聞き, 
 少々,時間がかかってしまいましたが,
 ただアンケートをとりに行く というだけでなく
 とても楽しい,そして考えさせられる機会となりました.






 今回の調査で改めて思ったのは,
 リハの場面で,相手のパーソナリティを聞く以上に
 調査員としてご自宅へと訪問し,
 色んな話しを聞いていく方が,相手の物語の色濃さを感じました.





 凄く大事と言われていますよね. NBM.
 上手く言えないんですが・・・
 セラピストとして,相手の自宅へ行く というのと
 なんだか,少し違う感覚でした.
 より話し(相手の物語)を純粋に受け止められた・・・と言いますか.
 きっと,どうしても訪問リハの時は
 変な鎧なんかをまとっているんじゃないかな と思いました.





 思い返すと,
 やはり,どこか焦っているんだと思います.
 セラピストとして,意図的に何か問題点を探しだそうと 
 していたのかも,知れません・・・





 実際に,当院の在宅関係で働いている方が(Ns,ヘルパーではなく)
 とても相手の事(生活など)を考えている方が多いな〜 と思っていましたが
 その理由がよく分かったような気がします.





 よく,「焦らず」 なんてブログに書いているのに
 実際は,結構焦って「在宅」を考えていたんだな〜 と感じました.





 まず,色んな事を話しあう.
 話して頂けるようにする.





 そうじゃなきゃ,その方の全体像が見えてくる訳がありませんね.
 どこかで,自分の役割はココだ! という視点で
 話しあっていたのかも知れません.





 いやぁ〜・・・
 調査員,やって良かったです.
 純粋に相手の話しを聞くことに集中する という機会はなかなかありません.





 良い方に出会えたし,改めて「物語」の大切さを知る事ができました.
 ちょっと,パワーアップした気分です.
 これからは,訪問リハでも臨床でも
 初めてお会いする方には,セラピスト目線を一旦,置いておいて
 とにかく,「その方を知る」 という姿勢でいけそうです.