コウソクは道路だけで.


 よくよく考えますと,
 ほぼ臨床をしながら,週に1回は在宅に行けるという状況は
 本当に幸せな事だなぁ〜 と.



 いっくら入院患者さんと
 在宅でのADLを考慮し,仮想して練習していても
 やはり実際に帰ってみると違う なんて事がありますものねぇ〜...



 自分の経験不足も,これには大きな影響があるのかと思いますが
 入院中の生活と日常の生活にはかなりの差があるように感じます.
 


 これは,治療という部分において必要不可欠な
 ある程度の制限や,集団での生活などが影響しているかと思いますが
 これらがあまりに過度に行いすぎるのも考えようなんじゃないかな〜と.



 
 以前,当院では陰圧閉鎖療法という方法を取り入れ
 褥瘡治療に取り組んだことがあるのですが,
 初めて対象とした方において劇的な回復をみせました.




 これにあやかり,2症例目へ...
 となったのですが,この対象となった方
 ADLとしては平行棒内歩行もなんとか可能な方でして...
 内科入院ではありましたが,何より認知症がかなり進行しており
 ベッドには柵をしっかりとし,抑制着をきていた方であったのです.



 夜間の不隠行動は,稀にあったらしいのですが
 この陰圧閉鎖療法を行った日からというもの,
 夜間の不隠行動だけでなく,昼間看護師に手を出す...
 なんて事が頻繁に起こってきました.



 どう考えても,この陰圧閉鎖療法によって
 より行動を抑制したいたのが原因ではないか?
 となりまして,経過がどうであるかの結果を待たずして
 取り外しました.
 すると,不思議と不隠行動などは無くなったのです.



 陰圧閉鎖療法を中止する事に快く理解し,褥瘡の治療だけを考えていない
 素敵な外科医をはじめスタッフ方がいたおかげであると思います.
 こんなスタッフが居ることは大変リハ科からしても心強いです.



 堀田先生にも,この件について相談したところ
 「どんな形でも,人の自由を奪う事は良くないよね」
 と教えて頂きました.



 
 この1件以来,陰圧閉鎖療法に関して
 かなり適応となるかどうかの基準をしっかりと決めることになりました.




 しかし!
 当院では,ベッドの柵,抑制着,ミトンなど.
 まだまだ患者さんの自由を奪うものが数多く存在しましす.
 身体拘束ゼロ・・・ 実際に,しっかりと取り組めていない現状です.




 言い訳をしようとするならば,いくらでもあるのですが・・・
 でも実際,不隠行動などに対して,積極的に取り組んでいる事と言えば
 せいぜい夜眠れるように,昼間は車いすに座らせて
 詰め所に居てもらい,昼間眠らさないようにする... 
 といった程度であります.




 もうすでに,この事自体が「拘束」かとは思うのですが
 僕自身,無い頭を振りしぼってもなかなか良い対応方法が見つかりません...




 夜間の不隠行動について,ある程度の考察が出来ても
 その対応にあたる職員の現状などを考慮すると
 勤務人数などをはじめ,どうしても踏み込みにくい環境であるためです.




 当院の看護師は,大変優秀な方が多いです.
 これは全く皮肉とかではありません.
 かなりお世話になっています.




 ただ,お世話になりすぎていまして...
 職場環境などを良く知りすぎているが故に,
 難しい問題でもあるな〜 と感じています.




 患者さんが主役. 間違いありません.
 ただ,嫌々スタッフがフォローにあたるようではいたしかたありませんし
 一方的にこちらの意見を押しつけた所で,上手くいくはずがありませんもん.




 自分は夜勤をした事もありませんしね.
 でも,現状で良いハズがありません.
 



 なんとかしないといけませんねぇ〜... 本当に.
 そんな偉そうに言える男ではないのに.




 でも,腰痛予防だけでなく,身体拘束についても
 来年度の課題ではあります.
 両方ともゼロにするしかありません.




 決して,セラピストとして無駄になるような取り組みではないと思いますし
 むしろ,必須項目でもあるようにも感じます.
 もちろん,この取り組みは病院スタッフ全員に必要でもあると思いますから
 なんとかして普遍的な取り組みへとしていければ良いなと思います. 




 やるっきゃない! まずは勉強.そして実践し,結果を出す!