〜 驚愕!思いこみ 之巻 〜

 こんばんは. 後藤です.



 今日は訪問リハビリの日です.

 朝から3件,途中昼食をとり,もう1件.

 その後NST委員会に参加と,大慌てな1日でした.


  
 そんな中,「思いこみ」って改めて怖いな と思う出来事がありました.
 
 
 今日の訪問リハの最中,少しトイレに行きたくなったため

 途中コンビニに寄った時の話です.


 トイレだけ借りるというのは,なかなか心苦しいもので

 コーヒーとパンでも買おうと思い選んでいました.


 僕は,基本的にコーヒーはブラックと決めていますので

 迷わずコンビニ奥の棚から,ブラックコーヒーのゾーンに手を伸ばし

 次にパンコーナーにて2〜3往復.


 何にしようかなと,結構迷った末,

 惣菜パンを手に取り,いざ!レジへ.


 で,レジにコーヒーとパンを置いた瞬間,その刹那!

 思わず体が 「ビクぅっ!!」 ってなりました.


 何気なくコーヒーとパンをレジに置き,

 ふと目線を下ろすと,

 
 なぜか! ジョー●アのブラックではなく,細長い缶のオリジナルが!!


 うっそぉぉぉ・・・.


 まるで気配を感じない状態での後ろから肩を叩かれる時の

 「ビクっ!!」という感じくらい,体が動きましたので

 店員さんも少し驚いていました.(←すみません…)


 完璧に,ブラックコーヒーのゾーンを確認し

 無意識に手を伸ばした所まで覚えています.


 ただ,手に取る瞬間は,覚えていません.

 むしろ,見ていないと思います.

 
 思いこみって,怖いですね!


 コーヒーを手にとってレジに行くまで

 パンを何にしようか?と迷っているおよそ2分間近く

 手にはブラックコーヒーがあると思いこみ,

 全く,気付かなかったのですから...


 当然,「すみません,変えさせて下さい」 とも言えず

 甘いコーヒーを飲みながら,少しほろ苦い思いをしました.



 今,見えている世界は,あくまで個人が勝手に描いた世界で

 その中での出来事が,目に見える事のできる状況とズレがある時

 とても不快に感じる という事が言われています.


 これは,今まで通り動かせていたハズの手が,思いどおり動かせない.

 この距離ならこの時間で移動する事ができる と思い

 手を伸ばしてみると,まだまだ距離がたくさんあった などなど.


 脳血管障害などで,こういった症状が出るのを良く見かけますし,

 それは本人にとっても,かなりのストレスであると思います.

 
 それなのに,働き始めの僕は

 「まだ車いすまで距離がありますので,もう少し近くまで行きましょうね」

 などと,よくもまぁ言っていたものです.


 届くと思って手を出している可能性があるのに

 僕は,「疲れたから早く休みたくて手を伸ばしているのだ」

 と勝手に解釈しておりました.


 で,車いすに座ると

 「疲れました?」と僕が聞き,「いいえ,まだ大丈夫ですよ」と答え,

 うん.気を使っているのだなと.


 めちゃくちゃですね...


 僕はこの他にも,まだまだ思いこみの部分がたくさんあると思います.

 また,言葉が悪いですが,今の身体状況を「思いこんでいる」患者さんもおられると思います.


 思い通りに動かない事を気づく事は,とても大切であると思います.

 ただ,自然な動きを提供する という事の意義も同時に存在するのかと思います.


 本当に,今日の(小さな)出来事で思いこむ怖さを知りました.

 いや,正確には「分かった時の怖さ」なのかもしれません.



 「あっ,私は自分で思い通りを動かす事ができないのだ」

   → 「えっ!? そんな風に扱われてしまうの??」

       → 「やばい!自分の体を守らなければ!!」



 結局,コミュニケーションが図れなくなってしまわれた方が

 どう感じているかはわかりません.

 上に書いたように思い,筋緊張を上げているのかも知れませんし,

 動けない事が分かった段階で,体位交換を行ってもらいやすいように

 両手を胸に置き,両下肢を曲げ,さらには体幹を曲げ

 支持基底面を減らし,「さぁどうぞ! ご自由に動かせばいいじゃない!」

 と思っている可能性も,あるかもしれません.(←あくまで勝手な想像です…)



 なにより,自然な動き.

 効率の良い動きを提供するケアは大事なんだなって思っています!!