点と点の繋がり

 こんばんは。後藤です。


 今日は午前に訪問、昼からNST回診、その後また訪問。

 という日程の金曜日!でした。


 今日は、訪問リハビリで担当させて頂いている

 1人について少し書きたいと思います。


 まだうちの診療圏内では若いと言われる位の男性で

 左前頭葉の損傷(頭部外傷)で少し右上・下肢に麻痺がある方です。

 ADLは自立しており、実際、訪問リハどうかなぁ〜? くらいの。


 ただ、コミュニケーションの部分で少しズレが出やすいという、

 この問題点が大きな課題となっていた方です。



 これに対してどうアプローチしたら良いのかな?

 と考えていた所、本人さんは「囲碁」がとても好きだという事が判明しました。


囲碁を教えてもらうと、順序立てた発語に繋がるかも?」


 と、なんとも安易な発想・・・。


 囲碁はやった事が無かったので、簡単なルールだけ勉強して、

 実際に対戦させて頂きました。


 ・・・強い。


 この方、囲碁の実力は○段だったとか。

 本人曰く、今では2段階位実力が下がったと言っていますが・・・。



 囲碁をこの方とやるようになって、

 半年くらいになりますが、

 全く勝てません・・・。

(当たり前と言えば当たり前ですが)



 毎回、囲碁を打つ時間を確保するのは難しいので、

 もちろん、一番最後に行って、時間外(申請はしてませんよ)

 で対戦するという形で行っています。



 で、最近、囲碁の事が少しわかってきて

 囲碁とはなんぞや?

 みたいな話を良くするようになってきました。


 この方は、勝ち負けにこだわっておらず、

 負けの中に見出せるものや

 相手のミスを待つとかではなく

 自分のベストを尽くす

 などなど・・・。


 囲碁談議はつかず、

 その時の文章は非常に良く、

 最近コミュニケーションも良好になってきた

 印象があります。(勘違いかも・・・)



 で、僕は僕で囲碁を通じて学んだことがあります。


 囲碁では、それこそ自由に

 好き勝手に石を置くことができます。


 一見すると、ばらばらに置かれている石が、

 展開が進むにつれて、1つ1つの石に重要な役割が生じてきます。


 その石に意味付けをするのは、打ち手の要領です。


 僕は、これが理学療法にも似ているな・・・。

 なんて思っています。


 例えば起き上がり。

 人の自然な動きではなく、物のように起き上がらせて行くと、

 前腕部分で体を支える必要性が無くなっていき、

 その人にとって前腕の意味が無くなります。


 前腕の役割や意味をちゃんと伝えるためにも、

 自然の動きを提供する必要があります。


 なにか、上手く言えませんが・・・。


 プラモデルも、1つ1つのパーツだけ見てると

 たいした物では無いのですが、

 それぞれに意味づけをする事で、

 1つの作品が出来上がる。


 プラモデルと一緒にするつもりはありませんが、

 人間の各関節・筋肉・神経・・・。


 意味や役割をどういう風に理解してもらえるか?

 決して、指導!なんて事だと、難しいと思うので、

 その人がどう感じているか、

 しっかり話し合い、二人三脚で行っていく。


 って、なんか偏った考え方かもしれません・・・。

 でも!僕は、

「全体は個体の総和以上である」(←確かこんな感じ・・・)

 と言ったベルタランフィの言葉がなぜか心に残るし、

 こんな理学療法を提供できたら!

 と、思っています。



 でも・・・。

 書いていたら、1つ、囲碁とリハビリの違う事がわかりました。


囲碁の石はこちらに話しかけてくれない」


 なんか・・・もっと相手の気持ちを汲み取る力が必要だなぁ〜


 石が僕に話しかけてくれるように感じたら、

 もしかしたら、あの方に囲碁で勝てるかもしれません。

(勝ち負けにこだわっている時点でだめかも・・・)


 良い理学療法士に!

 一日一日を大事にしていきたいです!