僕らのシーティングと音楽


 本日より,1ヶ月間のニート生活に終止符を打ちまして.
 新天地で働くこととなりました.




 思ったことはたーくさんありますけども,
 そのうずうずした気持ちを
 以前より書くと言って書いていない
 「シーティング」について書いていきたいと思います.





 僕は音楽が好きで,
 中学生時代,もともとギターやベースを弾いて楽しんでいました.





 バンドとかもやっていたりして.





 でも,田舎なので
 ドラムがいなくて.




 そんなこともあって
 打ち込みを作れる機械を買って
 自分でせこせこドラムのパートを作成し
 それに合わせてベースを弾いたりしていました.





 で,高校に入り
 どうしてもウッドベースを弾きたくて
 吹奏楽部に入ったんですけど
 結局,トランペットになりまして.





 普通の吹奏楽部であった部活でしたが,
 ちょうど僕が入学した年から顧問が数学の
 これまたともて素敵な先生に変わりまして.





 すごく厳しくて,
 今思うとめちゃくちゃ音楽と向き合った高校時代でした.






 結果も...すごくいい結果になって.





 その時代があったからこそ
 僕は音楽がとても好きだし,
 楽しめるように聞けるようになった と思っています.






 今から書いていくこの話しは
 いつか人前で話すときに例えとして話したいって思っていましたが
 先日,とある養成研修の際に話忘れたので
 ここで書きます.






 同じことをそのまま話すのが
 僕はとても嫌いなので,スライドなども変えていくことが多いので
 多分,音楽とシーティング というテーマは
 これが最初で最期です.






 ただ,結果としては
 毎回,同じことをいうかと思います.
 伝えたいことは変わらないです.
 その道筋が違うだけです.






 さて,音楽.
 





 作曲家が想いを込めて作り上げた楽譜を
 どのように読み解くかっていうのは
 演奏する上でとても重要です.






 指揮者がテキトーに降っているようにみえる
 あの棒も,指揮者によって全然違いますからね!
 引きこまれますよ.すごい指揮者って.
 演奏したことのある方はわかると思います.






 あと,やはり楽譜の読みとり方.
 全体の曲の中で,このフレーズはどんな役割を持ち
 どう表現するのが良いか.






 これ,演奏しなくても
 実際に音楽を聴いていても
 どんな想いがあってその旋律,コード,シンコペーションなのかって
 わかったとき,分かろうとする時なんかが
 音楽の醍醐味で,それをうまく伝えるアーティストに
 とても感銘を受けたりします.






 さて,少し脱線しましたが
 音楽の授業などで
 「f」とか「p」という記号を見たことがある方は
 大勢みえるのではないでしょうか.






 読み方は,フォルテとピアノ.
 ご存知ですよね.







 このフォルテ,ピアノって
 実際に演奏する時,大きく! 小さく... って
 思っている人,大勢いみえません?






 これ,実は違っていて.






 フォルテの本来の意味は「強く」
 ピアノは「繊細に」とか「かわいらしく」とか.
 





 若干,その文脈によって解釈も違うんですけども
 ばかみたいに大きな音にしたらいい
 小さな音で演奏したらいいってわけでは
 ないんですねー!






 これは,高校の時の吹奏楽の先生に教わったことなんですけども
 大きな音でなくても,力強くする演奏ってあるし
 その想いをどう表現するかの方が大事なんですよ.






 あとは...rit.とか
 リタルダントですね.徐々にゆっくりとかです.






 あれも,この先生は
 わざとらしく遅らせるのが嫌いな先生で.
 当時は,そういうクサイのが好きな年頃が集まってるじゃないですか.
 高校生って.
 だから,結構みんな遅らせたがるんですけど,
 今になって思うと,この先生の言っていた意味がよくわかります.







 音楽を演奏するにあたり,
 大事なのは,何度も言いますけど
 その曲全体の構成で,
 この文節ではどう表現し,どこへつなげるのか?っていうのがあります.






 難しいポイントだけを
 うまく演奏できないからってことでそこばかり練習していても
 そこまでの物語,そしてそれがどこへ向かっていくのか
 そこを理解していないと,その作者の意図する音楽とは
 違ってきてしまうわけです.






 で,これをシーティングってことと照らし合わせて考えます.






 シーティングで大事なことって
 ずばり!車いす上での姿勢をよくする ってことなんですよね.






 そうです.
 身に覚えが僕にもありますし
 皆様にもないですか?






 ものすごく変な姿勢で
 座るっていうことじゃなく
 車いすに置かれているっていう感じに
 座っている方.







 だから,車いすをきちんと選定しよう
 姿勢の評価をしよう
 ADLにどうつなげるかを考慮した綺麗な姿勢にしよう






 っていうことで
 シーティングについて色々と教科書も出ているし
 セオリーやコンセプトなんかもたくさんでています.






 で,僕も.






 いかに車いす上で綺麗に座れるか?ってことに
 ずーっと固執していた時期があります.






 これがセラピストだからね ってくらいに思っていて.






 でも,貸与事業所の方ですけど,
 綺麗な姿勢だけで車いすは選ばないよっていう言葉が
 ずっとひっかかっていて.






 それが,今になってわかるんですけど
 これ,先ほどだした音楽でいうと
 あるフレーズだけを切り取って
 そこだけをよくしようっていう関わりと他ならないわけなんですよね.






 完璧な背ばり,
 安定した骨盤にクッション,
 駆動してもぶれない身体ができる設定...







 これ,めっちゃくちゃ大事です.







 でもね,







 シーティングがよくなっても
 その姿勢まで,どうやって誰が動いていくの? っていう
 そこが抜けていることが多いように感じています.






 え?当たり前だし,そこまで考えるのがフツーでしょ?って
 そう思われる方も多いかと思うんですけど,
 もうね,ここまで書いたからお付き合いください.






 はい.少しずれましたけど
 環境をいい設定にしたとしても
 その場面,その場面でしか評価して
 調整していても意味がないんですよね.






 車いす,ほんと重要ですよ,
 シーティング,もっともっと現場でよくしていきたい.






 ただ,そのいい姿勢まで
 どうやっていくんだ?って,そこまで考えるのが
 フツーになってほしい!って思うんです.






 介助者が全介助でしていないだろうか.
 自分でなんとか移っても,深く座れていないんではないだろうか.







 人が生活するって
 1日の中のどこか一部だけを切り取ることって
 ないんですよね.






 これは,シーティングに限ってないです.
 よく言ってますけど,
 スライディングボードは便利ですけど
 どのタイミングで差し込むんです?






 今の現場では,座位すら安定していない状態で
 リフトが使えないからって理由にまでならないと
 なかなかスライディングボードって話にならないじゃないですか.






 で,座位の安定も介助しなきゃいけないし
 ボード差し込まないと...あー大変!ってなって
 で,結局,これ使えないねってなる.







 いい1曲にするために
 どこかのフレーズだけを練習していてもいけないし
 スキルがある人でも,初見でスラスラ弾いたって
 感銘を受ける演奏にはならないわけですよ.







 きちんとその音楽が何を伝えたいのかを読み取り
 解釈し,楽譜に書いてあるものに対して
 自分の持てる最高のスキルで演奏していく.





 そう思うと,実はスキルよりもまず最初に来るのは,ね.
 臨床でも勉強や技術も大事だけど
 その前に...っていう話しになってくるんじゃないかな?と
 思うんです.






 読み取る力,解釈,知識,技術
 どれも大事です,本当に.
 でも,まず何が大事で,
 なんのための,誰のためのシーティングなのかを
 明確にしないと,
 綺麗に座れるのが嬉しいと思ってしまう
 セラピストや貸与事業所の関係者のための
 シーティングになってしまいますよね.






 そう思うと,リフトって...
 もうですね,車いすへのフィッテイングがもうばっちしくるんですよね.







 ただ,リフトがいいって話しじゃなくてですよ.
 どうやったら座る姿勢まで快適に動けるか?(本人も介助者も)
 その結果,どんなことが本人ができるようになるのか?







 シーティングに限らず,
 本人,家族が主体でなければ
 せっかく勉強したシーティングの知識も
 ただの速くテクニカルに演奏することのできるスキルだけに
 なりかねないのかなと思います.






 ...ようやく書けました.
 ずいぶん遅く,長くなりましたけど.






 最後に,オーケストラでもそうなんですけど
 例えばシーティングって切り取っても,
 そのフレーズを演奏するのは,バイオリンだけでないってことを
 書いて終わりとします.






 いろんな楽器奏者がいて
 その音色は,他の楽器では再現することができないわけです.
 物理的に音質だけでなく,
 周波数的にも,でない音があります.






 音楽を楽しむためには,
 みんながみんな好きなように演奏することがいいわけではないですよね.






 それぞれが努力し,役割をもって1つの方向を目指す.






 久々にバンドがやりたくなってきました.
 





 はい.期待はずれな文章でごめんなさい.
 長々と書きましたけど,
 いい車いすを選定しても,その姿勢までどうやって動くの?を
 見落としがちなことって多いなーと思い,綴りました.






 また,当分ブログ休むかもしれませんし書くかもしれません.
 次回のテーマも決まっていませんが
 また書きたくなった時に書きます.





 それでは,素敵な1週間になりますように.
 おやすみないさい.