在宅に帰ると・・・

 こんばんは。 後藤です。

 
 最近、また1つ成長できそうな気がしています。

 自分に足りない部分があちらこちらに・・・

   (主にこの会の関係です)

 いやぁ〜・・・ 気合、入れ直さなければ!!

 でなければ、このチャンスを逃しそうです。


 

 今日は、学生を引き連れ

 退院前訪問指導というものに行ってきました。

 普段どういった環境でその患者さんは生活しているのかを見れるので、

 楽しみでもあり、いかに退院後のイメージを掴むかという

 プレッシャーもあるイベントです。


 今回の最大のテーマは、人工骨頭が脱臼しない生活を! です。

 ただ、一筋縄にはいきません。認知症があるためです。

 この患者さん、OPEしたこと自体覚えていません。


 そして、受傷前はなんでも出来ました。

 部屋にじっとしていられない方で、常に部屋の掃除

 外の庭の草取り、道路を挟んだ畑での仕事・・・。


 今のADLは独歩で歩ける位ですので、
 退院後の生活は、ほぼ受傷前と変わらず行う事が出来るでしょう・・・。

 脱臼さえしなければ。


 もちろん、今までの生活を送っていただく事を望んでいます。
 
 見えない予防線を張るっていう方法もありますが、

 果たしてそれは本人にとって良い事なのでしょうか。


 また、家族の思いもあります。

 今まで通りの生活を必ずしも100%望んでいるわけではないようです。


 難しい・・・。 実際、家に帰ってみなければ分からない事もありますし。

 もっと考えて、色んな方と話して、良い生活を送れるように努めていきたいと思います。



 で、遅くなりましたが今日言いたい事は、

 認知症の方に対し良く言われるこの言葉について。(注:先ほどの方の話とは関係ありません)


 「環境が元に戻れば(自宅に帰れば)、良くなるかもしれないから退院はどうですか?」


 というのが本当なのかどうか? という事です。

 前頭葉障害を負ったフィネアス・ゲージの物語は、確か故郷に戻ったら少し良くなった

 なんて事が言われていたように思います。

 在宅の情報は皮質レベルに蓄積されているはずなので、分からなくもないのですが。


 もし、過去の記憶により症状が改善されるのであれば

 回想法でも改善が認められてもおかしくないのでは? と思います。

 回想法については、確かに良好な改善が得られたというレビューがあるようですが、

 最後にはより質の高い研究が必要であるとまとめられています。

 ちなみに、僕は決して否定派 という訳ではありません。


 一言に認知症といっても、様々な症状があると思います。

 仮性痴呆や精神面の廃様症候群は一見すると認知症様な症状が出てくることがあり、

 これに関しては環境や活発なADLで改善されるとされていました。


 僕は、この境界線を患者さんに対しアセスメントしなければならないのでは?

 と思います。

 
 どうしても、「自宅に帰れば良くなるかも知れないので・・・」

 という提案には、こちら側の事情があるのではないのか?

 と疑問視してしまいます・・・。


 しかし自分自身が、認知症に対しある程度の考察で終わっている

 事も事実です。


 知らないということは、怖い事だと思うので

 もっと詳しく勉強していきたいと思いました。